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2009年8月23日

閲覧して下さっている皆さん、こんにちは! 世田谷区千歳烏山の矯正歯科専門医院ひさの矯正歯科の久野昌隆です。更新が久しぶりになってしまいました。

今年は冷夏、そして、もう秋の気配ですね。ひさの矯正歯科は今週、遅めの夏休みをいただき、今話題の(?)千葉勝浦に行ってきました。噂のお家は見ませんでしたが、テレビ局の中継車が集まっていましたよ。

さて、今回は矯正治療の適齢期:子どもの治療 その2:反対咬合についてお話したいと思います。その1では、成長発育の基本的なことについてお話しました。そのポイントの一つは、上下の顎の成長には時期的にズレがある、ということでした。具体的には、上顎の成長は早く終了し(だいたい10歳頃)、下顎は思春期の前後に旺盛な成長を見せるということになります。そこで気になるのが、乳歯列期(まだすべての歯が乳歯の状態)によく見られる反対咬合(はんたいこうごう:受け口)です。上顎の成長が早く終了することを考えると、成長の旺盛な時期になるべく早く反対咬合を治しておいた方が良いのではないか?と心配される方も多いでしょう。乳歯列期の反対咬合には、注意して診査しなければならない点がいくつかあります。
1つめは、反対咬合が、本当にいつもご飯を食べたりしている時の噛み合わせか?ということです。子どもは、「噛んで」とか「イーっとして」と指示すると、その時だけ下顎を前に突き出して反対咬合で噛み合わせることがよくあります。これは、永久歯列に比べ乳歯列は、上下の前歯の噛み合わせが浅く形成されることが多く、上顎の歯列に対して下顎の歯列がどこでも噛み合わせやすいことによると思われます。このような云わば「噛みまちがい」による反対咬合は矯正治療の対象となりませんが、歯科医師でも騙されてしまうことがよくあるので注意が必要です。
2つめは、本来の下顎の位置や大きさは、決して反対咬合を呈するような突き出た状態ではないのにもかかわらず、奥歯が噛み合わされる前に、上下の前歯が先端同士で当たってしまい、それをよけるために、仕方なく下顎を前に出しながら奥歯でかみ合わせてくる状態の場合です。このような、歯列全体が噛み合わさってくる前に、一部の歯が(反対咬合の場合、多くは上下の前歯)が当たってしまうことを、早期接触(そうきせっしょく)と呼び、反対咬合に対する早期の矯正治療の対象となります。ということで、最近は、非常に早い乳歯列期から反対咬合を治しましょう、と勧める歯科医師も増えてきているようです。しかし、ここで注意しなければならないのは、乳歯の反対咬合を治そうとするということは、上顎の乳前歯を前方に移動することになるということです。5~6歳頃になると、乳前歯に交換して生えてくる永久前歯(おとなの前歯)は、乳前歯のすぐ上まで降りてきています。乳前歯を移動しようと力をかけると、永久前歯の生える方向が変わって(多くは内側に向いて)しまう危険性があり、永久前歯への交換後に、さらに程度の大きい反対咬合をつくる原因となることがあるのです。すぐに治療を始めた方がいいのかどうか、レントゲン画像などをもとに、専門的な判断が必要となります。実際には、このような早期接触による反対咬合は、上顎の永久前歯にかわる際に、自然に治るかどうか観察の後、治療を行うことでも十分に改善しますし、改善後の上顎の前方への成長は多く見込めることが多いため(これをcatch up growth:「追いつき成長」と呼びます)、治療時期を見定めれば、遅すぎるということはないのです。
3つめは、どのように下顎を動かしても、上下の前歯が接触することはなく、反対咬合でしか噛み合わせることが出来ない場合です。このような場合は、上下の骨格のアンバランスを呈している場合が多く、遺伝的な要因がよく認められます。骨格的なアンバランスに対しては、早期治療を行うのか、成長観察に留めるのか、専門的な検査と、それに基づく判断が必要となります。

 今日は、子どもの反対咬合についてお話しました。次回は子どもの出っぱについてお話したいと思います。皆さんのご参考になれば幸いです。ではまた(^^)/~~

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ひさの矯正歯科・院長 久野昌隆

ひさの矯正歯科
院長 久野昌隆
http://www.hisano-ortho.com/

【学歴・職歴】
昭和63年
長崎大学歯学部卒業 東京医科歯科大学歯学部歯科矯正学第1講座専攻生過程入学(三浦不二夫教授)
平成4年 医員 採用
平成8年 文部教官 助手 採用
平成10年
卒後教育担当(矯正歯科 ~平成13年3月まで)
平成12年
医局長 (~平成14年3月まで)
平成12年
東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校 非常勤講師 併任
平成13年
東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校 非常勤講師 併任
平成14年 講師 昇任
平成14年
卒後教育担当(矯正歯科 ~平成16年3月まで)
平成15年
矯正歯科外来 外来医長 (~平成19年3月まで)
平成17年
矯正歯科外来 副科長  (~平成19年3月まで)
平成18年 助教授 昇任
平成19年 准教授
平成20年 東京医科歯科大学 退職
平成20年11月
ひさの矯正歯科 開設